どうも僕です。
2017年のコミティアで「貧乳回顧録」という作品を発行しました。僕が編集した貧乳シリーズ(前47冊)を振り返ったものです。
とにかく締め切りまで時間がなくて3日ほどででっち上げた作品でもあり、機会があったら書き直して再度まとめたいと頭にありました。
それで一気に書き上げるのもしんどいので、はてなブログでちまちま書きためてから一冊にするかね、という結論に達したのですよ。
はてなブログでは【貧乳】というタグで、ツイッターでは【#貧乳回顧録】のハッシュタグであげていきます。
お付き合いいただけると嬉しいです。また質問などがありましたら可能な範囲でお答えします。
掲載した記事をリライトや、掲載作品の想い出や時代背景などを付け足していくこともあります。そして、どこかのタイミングで有料化記事にするかもしれません。その際はご了承ください。
フリップ・サイド編集K
■貧乳通信(2000年5月25日発行)
表紙イラスト:かにかに/山野紺三郎
カラー口絵:山野紺三郎/かにかに
トビライラスト:栗東てしお
目次イラスト:ラスカルにしお
装丁:伸童舎
▼コミックス
・失敗大作戦(山野紺三郎)
・鈴木さんは魔女(流星ひかる)
・名探偵ママン(てるき熊)
・となりのお兄ちゃん(フェニキア雅子)
・電車でGO!2000(成田山武頼庵)
・お兄ちゃんてば…(かにかに)
・小さいこともイイことだ!(栗東てしお)
・if~(みはらじゅん)
・若きお嬢様の悩み(宮野あみか)
・にちようび(桐原小鳥)
■貧乳通信の由来
光通信とかインターネットあたりとか考えたのだけど、最終的には電波を送るから受信してくれの通信でした。だったら貧乳電波だよなって突っ込まれると弱い。
かにかに先生が描かれた表紙イラストのラフ画はハーフジーンズだけを穿いた女の子でした。
「女の子が水にかかた状態で透けているTシャツはエロいですよね。それで乳首がぷっくりと勃っているとさらにエロいですよね」と僕が貧乳大王のときと同じように何かしらの呪文を唱えたのです。それによって僕の趣味が出たエロエロなイラストへと昇華したのでした(ナニを偉そうに)。
【それでも透けて見えているってエロいではないですか!】(力説)
その余勢を駆って貧乳通信から【貧乳少女好き好き♪描き下ろしアンソロジー】が副題につきました。
美少女描き下ろしアンソロジーという言葉が面白くなかったのと、良い感じで頭が悪い感じを出したかったのです(作家さんにも頭が悪い感じで良いと好評だった)。この時代に萌え萌えという言葉もあったけれど、それに逆らったのかもしれない。カジュアルなちゃねらーだったのですけれどね。
カバーまわりは全てデーターだったのですが、データを打ち出した文字などで写植屋が版下を作り、その版下とデーターをもとに製版所がフィルム製版を行うという、謎の手順を踏んでいたのです。時代の変わり目は対応がしきれなくて手間を増やしてしまうのかもだよなあ。
ライターズコメントを眺めていると夏コミの宣伝をする作家さんが大半で、それがいまになると記録だなあ、と感心します。
そのライターズカットを目にすると貧乳通信のあたりで、かにかに先生が会社を辞めたのを思い出した。そこの営業さんから「どうにか辞めないように説得してくれないか」と電話で言われたなあ。焼き肉屋で接待されて、同じようなことを言われたなあ。かにかに先生には一応報告をしたけれど、まあ変わらないよね。
いまとなっては懐かしい思い出話です。
目次を眺めていると、またいろいろと思うところがあります。
まず、この貧乳通信からカラー口絵が入るようになりました。これはカラーイラストがあると読者が喜ぶよね。僕も喜ぶよね。それに付随してだけれど、遅筆で知られている山野紺三郎先生がカバーイラスト・カラーイラスト・16ページの漫画を描いていたことがよみがえった。それでも何とかなったのだな……。ふたりとも若いし頑張れたのか。しかしながらお互い大変だったよね。
もうひとつが、貧乳大王のときにもIRC云々がありましたが、この目次でもそれがあるのです。V麻雀という雑誌で【魔法のメンバータイニーグリーン】という魔女っ子モノ麻雀漫画が連載されたのです。それが、僕を中心としてほんの一部だけどIRCで大流行。それがきっかけで、タイニーグリーンの作者ラスカルにしお先生までたどり着き原稿をお願いすることが出来ました。コンバットコミックスでTOPGALの連載もされていた美少女な漫画家さんでした。
三原ジュン先生が『みはらじゅん』とひらがなへと変更になったのもこの貧乳通信。どこでもいっしょに出てきた三原ジュン由来のペンネームだったのですが、はみだっし子などで知られる漫画家三原順先生と混同されてしまうかもっていう本人からの申し出もあってのことだったかなあ。
この頃はほのぼのした漫画がほとんどだったなあ。成田山武頼庵先生の「電車でGO! 2000」なんて集団痴漢NTRモノなのに、少女漫画的な絵柄で変にほのぼのした雰囲気がありました。それゆえ背徳感もすごい。
時代が経ちましたが、面白い作品があるので貧乳シリーズに関しては何かの機会にPDFで頒布しておきたいかな。
僕がいままで編集してきたエロ漫画は総じて消しが甘いのだが、この辺もご多分に漏れずそうですねえ。
消しは製版所に頼んでいたので、原稿用紙にトレーシングペーパーを貼り青鉛筆などで消しの箇所の指定をしていたのですよ。描いてあるモノを消すのが嫌な編集者だけれど、単にその作業も面倒でした。
と、書きつつ貧乳通信に目を通すと白抜きで消している箇所もあるとは言え「これだったら大丈夫だよな。なんか見えないし形もアバウトだから」でスルーしているところも多い。
どこの出版社も消しが甘い時代だったのだと思うのだ。
編集後記に「1、2、3、毎度~!」と書いてあるのもリアリティーがある。BS野球中継の日ハム戦を観ながら編集していたのだなあ、と(伝われ)。